【症状】
46才女性がテニス後に生じる腰痛のため来院されました。テニスをしている時は痛みを感じませんが、決まってテニスが終わった後に座っていると骨盤から腰にかけて痛みます。この腰痛は何年か前から感じてはいましたが、最近1ヶ月は痛みを強く感じます。
【治療】
左右の腰方形筋、腰部起立筋は緊張が見られ、左中殿筋の圧痛は強い。可動触診では左股関節の長軸制限、左仙腸関節の伸展制限、第1腰椎の左回旋制限が確認された。
治療では左中殿筋と左右腰方形筋へグラストンテクニック、左仙腸関節と腰椎へのサイドラインテクニック、左股関節のモビリゼーションを行う。3回の治療でテニス後の腰痛は7割改善。その後も経過は良好であり、2ヶ月後には自覚する腰痛は無くなった。
【解説】
今回のケースはテニスのスイングで軸足となる、左股関節の障害から腰痛へつながっていました。股関節を支えるお尻の横にある中殿筋は腰の筋膜と関わりがあり、股関節の過剰な負担はそのまま腰の動きに影響を与えます。この様な障害は、腰へのマッサージやストレッチのみで回復する事は無く、股関節の治療を同時に進める必要があります。