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施術例

ぎっくり腰になりかけの腰痛

2025.10.10 カテゴリー:腰痛 

柏在住の30代男性が、立ち上がる時や動き始めに強く感じる腰痛を訴えて来院されました。このような痛みはこれまでにも何度か繰り返しており、今回は約3週間前から発症しています。特に朝起きて動き出す時や、長時間座った後に立ち上がる瞬間に痛みが走るとのことでした。仕事では重量物を運ぶ作業も多く、時には中腰姿勢が続くこともあります。そのため「ぎっくり腰になりそうな不安感」があり、仕事中も常に腰をかばうようにしていたといいます。
座っている時間が長いと腰の奥がじわじわと重だるくなり、いざ立ち上がるときには鋭い痛みが走るため、動き始めるまで時間がかかります。歩き出すと少し楽になるものの、また座ると痛みが戻るという繰り返しでした。過去の腰痛は自然に治っていましたが、今回は痛みの引きが遅く、姿勢を変えるたびに不快感が続くため、これまでとは違うと感じて来院されました。
運動習慣は少なく、普段はデスクワーク中心の生活を送っており、週末も体を動かす機会はあまりありません。仕事上の疲労の蓄積と、姿勢の崩れが今回の症状を誘発した可能性が高いと考えられました。

 

検査

検査結果から、今回の症状は椎間板ヘルニアや関節の損傷を伴うものではなく、急性筋・筋膜性腰痛と判断されました。慢性的な姿勢の崩れに急な負荷が加わった結果、筋膜が過度に緊張し、痛みを誘発したと考えられます。確認された所見は以下の通りです。

・股関節周囲の筋肉に強い緊張を確認。特に中殿筋の張りが顕著で、骨盤の動きが制限されていた。
・腰椎の前弯(自然なカーブ)が減少し、椎間板への圧力が増している状態。
・前屈動作で明らかな可動制限があり、前に曲げてから戻る際に痛みが再現された。
・骨盤の左右バランスに偏りがあり、仙腸関節の可動性も低下。
・起立筋群に強い硬結を触知し、腰背部の筋膜が滑走しにくい状態。
・下肢に放散する痛みやしびれはなく、神経症状は陰性。

治療

治療の目的は、急性期の炎症を刺激せず、過緊張した筋膜の滑走を回復させることに置かれました。ボキボキと音の出る関節矯正は最小限に留め、筋・筋膜系のアプローチを優先しました。また、症状の再発を防ぐため、腰椎・骨盤・股関節の連動性を意識した調整を段階的に行いました。内容詳細は以下の通りです。

・胸腰部および股関節のモビリゼーションを中心に、関節可動域を回復させる目的で施術を実施。
・中殿筋・起立筋へのグラストンテクニックを用いて筋膜リリースを行い、筋肉の柔軟性を高める。
・仙腸関節の調整を行い、骨盤のねじれを整えることで腰部の負担を軽減。
・施術後、前屈および起立動作での痛みが大きく軽減し、動作の滑らかさが戻る。
・施術中の反応からも、筋膜性の拘縮が主因であることが確認された。

経過

初回の治療
痛みは約3割改善。立ち上がる際の鋭い痛みはほとんど消失し、前屈動作もスムーズになった

5回目(3週間後)
腰の違和感程度にまで軽減。長時間座った後も、ち上がる際の痛みはわずかであった。

2カ月経過
再発は見られず、腰の可動域も正常に近い状態を維持。

3か月後
全体的な姿勢バランスが改善し、腰部の筋緊張もほぼ解消。

解説

今回の症例はいわゆる、「ぎっくり腰に至る直前の段階」にあたる筋膜性の急性腰痛でした。少しでも負担を強めると「完全なぎっくり腰」へ発展し、動くことも出来ない状態へ発展することもあり、初期には強い刺激を与えず緊張を取り除くテクニックが必要となります。例えばですがこのような状態でうつ伏せになり、マッサージなどで腰を強く押したり、腰を捻ってストレッチをすると「完全なぎっくり腰」へ発展するため注意を要します。一度で結果を出そうとせず、段階的に施術を重ねようとする術者の心がけも安全性の向上に役立ちます。

 

担当カイロプラクター:鷲見光一

カイロプラクター 鷲見 光一応用理学士(医科学)
カイロプラクティック理学士
グラストンテクニック®GTクリニシャン
日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員

都内カイロプラクティック院にて副院長を務めた後、2017年に独立。国際基準のカイロプラクティックだけでなくグラストンテクニックのライセンスを取得し、物理療法を駆使した施術法を確立。臨床歴20年以上のオーストラリア政府公認カイロプラクター。

 

監修者:鷲見弘

取得国家資格/鍼灸師、柔道整復師(接骨)、あん摩マッサージ指圧師
慶応大学卒業後、人体や自然界への探求心によりカイロプラクティックの道へ進む。ユニバーサル・カイロプラクティック・カレッジ、 中央医療学園鍼灸学科を首席として卒業後、JSK鍼灸カイロプラクティックを運営。音楽家の腱鞘炎等の演奏障害を得意分野とし、多くの著名ピアニストの治療を担当。

プロフィール詳細

WHO 国際基準のカイロプラクティック
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