
松戸在住の40代女性が、締め付けられるような頭痛を訴えて来院されました。デスクワークを長時間続けていると症状が悪化しやすく、スマートフォンを操作しているうちに首から後頭部にかけてじわじわと緊張が高まり、その後に頭痛として現れることが多いそうです。
この頭痛は数年前から断続的に続いており、特に仕事の繁忙期や家事で忙しいときなどに悪化し、集中力が低下して作業効率が落ちることもしばしばありました。症状が強いときには吐き気を伴い、家事や外出を控えざるを得ないほどの辛さに悩まされていたといいます。
病院では緊張性頭痛と診断され痛み止めを処方されましたが、薬を服用すると確かに一時的には楽になるものの、根本的な改善には至りませんでした。レントゲン検査の結果、首の骨の自然なカーブが少なく、いわゆるストレートネックの状態であることが分かりました。ストレートネックは首や肩の筋肉に過剰な負担をかけ、緊張型頭痛の原因となることが多く、医師からも「この姿勢の問題が頭痛に大きく関わっている」と説明を受けています。
検査
初診時に行った検査の所見は以下の通りです。
①姿勢検査
頚椎の弯曲が減少し、典型的なストレートネックの状態を確認。横から姿勢を見た際、耳の位置が肩より前方に位置する。
②筋肉の緊張
後頚筋群(首の後ろを支える筋肉)の緊張が非常に強い。これらの筋肉の付着部である後頭骨や側頭骨周囲にも過度の緊張が広がっており、頭痛の直接的な原因となっている可能性が高い。
③関節の可動性
中部頚椎(第3~5頚椎付近)の可動性が著しく低下。ストレートネックもあることから椎間板への負担は増加していると考えられる。
これらの所見から、頭痛の主因はストレートネックによって姿勢が崩れ、筋肉に慢性的な負担がかかっていることにあると考えられた。単なる一時的な筋肉痛ではなく、長期に渡る骨格のアライメント不良、脊柱関節の機能不全が背景にあることが明らかである。
治療
検査所見に基づき、治療は以下の手技を組み合わせて実施した。
①頚椎・胸椎へのアジャストメント
頚椎の可動性を高め、弯曲を正常に近づけるためにアジャストメントを行った。
胸椎にも調整を加えることで姿勢全体を整え、首にかかる負担を軽減。
②頭蓋骨周縁の筋膜リリース(グラストンテクニック)
ステンレスの専用器具を用い、後頭骨・側頭骨周囲の筋膜を解放。
緊張を和らげ、血流を改善し、頭痛の直接的な原因となる筋肉の硬直を取り除いた。
③肩甲骨へのモビリゼーション
肩甲骨周囲の動きを改善し、頚部との連動性を高めた。
肩甲帯の可動性が回復することで、頚椎の弯曲改善を促進。
これらの治療は繰り返しによって徐々に筋肉の柔軟性を高め、姿勢改善へと導くことを意図して行われた。
経過
治療を進めるにつれて症状は軽快し、10回、2か月程度の施術が終わる頃には頭痛は大きく緩和した。これまで習慣的に服用していた頭痛薬も、ほとんど必要としなくなる。
解説
今回の症例では、ストレートネックに伴う筋肉の緊張が頭痛を引き起こしていました。一般的にストレートネックは首の痛みの原因と言われますが、筋肉や関節の緊張の走行により、緊張性頭痛の要因となるケースは非常に多いです。ストレートネックは単に首が真っすぐになるだけではなく、首の上の関節には圧迫をもたらすバランス乱れが必ずセットとして現れます。その歪の改善を念頭に置くことが早期回復には重要となります。
頭痛薬の常用は歪みを悪化させる
この様な症状は頭痛薬の服用が必要とされますが、薬の常用によって症状が悪化する事もあり、注意を要します。痛みが軽減することによる無理な活動は、首や肩への負担を積み重ねます。頭痛薬はあくまで一時的な対処法であり、根本治療には脊柱の機能改善が不可欠です。
担当カイロプラクター:鷲見光一
応用理学士(医科学)
カイロプラクティック理学士
グラストンテクニック®GTクリニシャン
日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員
都内カイロプラクティック院にて副院長を務めた後、2017年に独立。国際基準のカイロプラクティックだけでなくグラストンテクニックのライセンスを取得し、物理療法を駆使した施術法を確立。臨床歴20年以上のオーストラリア政府公認カイロプラクター。
監修者:鷲見弘
取得国家資格/鍼灸師、柔道整復師(接骨)、あん摩マッサージ指圧師
慶応大学卒業後、人体や自然界への探求心によりカイロプラクティックの道へ進む。ユニバーサル・カイロプラクティック・カレッジ、 中央医療学園鍼灸学科を首席として卒業後、JSK鍼灸カイロプラクティックを運営。音楽家の腱鞘炎等の演奏障害を得意分野とし、多くの著名ピアニストの治療を担当。






