柏在住の40代女性が左膝裏の痛みを訴え、来院されました。この痛みは一カ月続いており、最近は痛み止めを常用しています。たまに膝痛は感じていたが、ここまで長引くのは初めてです。昔はよくかかとの高いヒール靴をよく履いていましたが、膝裏が痛むようになってからはスニーカーを履くようしています。左右ともにですが、以前から足先が冷えやすいそうです。
【治療】
左膝窩筋(膝裏の奥の筋肉)には圧痛が存在し、内側ハムストリングの腱付着部(膝裏の内側、モモ裏の筋肉の腱の部分)には癒着が生じていた。膝関節には後方への可動制限(関節の遊びの減少)が存在し、痛みのためか重心は右側へ移動している。
治療では膝関節へのモビリゼーション(関節の遊びを回復させる処置)と同時に、ハムストリング腱の付着部へグラストンテクニックを施す。重心の傾きも生じているため、脊柱に必要なアジャストメント(ボキボキ音を伴う矯正)を加える。2回目来院時に痛みは半減、5回程で 日常生活に差し支えの無い状態まで回復。
【解説】
痛み止めの服用は、確かに膝痛を抑えることにはつながりますが、原因解決には至りません。また痛みを麻痺させるだけのため、不意な動きにより予期せぬリバウンドを起こすこともあります。痛みは無理をしない上でも必要なものであり、膝関節や身体の歪を回復させることにより疼痛を回復させることが、より根本的な対処となります。また例え膝の痛みでも、膝だけではなく脊柱に対しても処置を加えることは全身の回復力を高め、より良い予後となるケースは非常に多いです。