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施術例

膝の裏側、膝窩が歩くと痛む

2025.06.20 カテゴリー:膝の痛み 

柏市在住の40代女性が、左膝裏の痛みを主訴として来院されました。この痛みは約1か月間続いており、最近では日常生活に支障をきたすため、痛み止めを常用しているとのことです。以前から時折膝痛を感じることはあったものの、ここまで長引くのは初めてだといいます。
患者様は若い頃からファッション性の高い靴を好み、かかとの高いヒール靴を長年履いていた経歴があります。しかし膝裏の痛みが出てからは、膝への負担を考慮しスニーカーに履き替えるようになりました。また左右ともに足先が冷えやすく、特に冬場や冷房下では冷感が強くなる傾向があります。これらの生活習慣や体質的な要素も、膝や下肢の筋肉・血流状態に影響を与えていると考えられます。

 

【カイロプラクティック検査】

触診の結果、左膝窩筋(膝裏の奥に位置する深層筋)に圧痛があり、さらに内側ハムストリングの腱付着部(膝裏内側で大腿後面の筋肉が骨に付く部分)に癒着が認められました。この癒着により、筋肉の伸縮性や関節の動きが制限されていました。

可動域検査では、膝関節に後方への可動制限(関節の「遊び」の減少)がみられました。また、痛みの回避姿勢が習慣化しているためか、立位時の重心が右脚側に偏っており、左右の荷重バランスが崩れていました。このような重心移動は、膝のみならず骨盤や脊柱のアライメントにも影響を及ぼし、長期的には腰痛や股関節痛など二次的な症状を引き起こすリスクとなります。

 

【治療内容】

施術では、膝関節の可動性を回復させるためにモビリゼーションを実施しました。これは関節包や靱帯の柔軟性を高め、関節の「遊び」を取り戻す手技で、膝裏への負担を軽減します。続いて、ハムストリング腱付着部の癒着に対し、グラストンテクニックを用いてアプローチしました。専用器具を用いたこの手技は、硬くなった筋膜や腱の癒着を剥がし、滑走性と血流を改善します。

さらに、重心の偏りを戻すため、脊柱に対してアジャストメント(カイロプラクティック矯正)を実施。ボキボキと音を伴うこの矯正は、関節の位置を正し、神経伝達や全身のバランス回復を促します。

治療経過としては、2回目来院時には痛みが半減し、5回目の施術終了時点では日常生活に支障のないレベルまで改善しました。特に階段昇降や立ち上がり動作の際の違和感が減少し、日常動作がスムーズになったと患者様は実感されています。

 

解説

今回の症例は膝窩筋やハムストリング付着部の癒着形成により、発症していたと考えられます。過去のヒール靴の常用は、足関節や膝関節の角度に持続的な変化をもたらし、特定の筋肉群への負担を蓄積させた可能性があります。こうした長年の負荷が痛みとして顕在化したと考えられ、改善には筋膜癒着の解除と関節可動性の回復、さらに全身アライメントの調整が不可欠であったと言えます。膝の治療であっても、その背後にある姿勢・荷重・動作の偏りを無視せず、包括的にアプローチすることが、根本改善と再発防止につながります。

その他、痛み止めの服用は、一時的に症状を和らげる効果がありますが、あくまで痛みの信号を遮断しているに過ぎません。原因である関節可動性の低下や筋膜癒着を解消しなければ、痛みは再発しやすくなります。また、痛みが抑えられている状態では無理な動作をしてしまい、かえって損傷を悪化させる「リバウンド」が起こる危険性もあります。

膝関節の問題は膝単独で発生するとは限らず、骨盤や脊柱の歪み、足部アーチの崩れなど全身のバランスが密接に関与します。今回の症例でも、膝だけでなく脊柱にアプローチしたことで回復が早まり、予後も良好となりました。

 

担当カイロプラクター:鷲見光一

カイロプラクター 鷲見 光一応用理学士(医科学)
カイロプラクティック理学士
グラストンテクニック®GTクリニシャン
日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員

都内カイロプラクティック院にて副院長を務めた後、2017年に独立。国際基準のカイロプラクティックだけでなくグラストンテクニックのライセンスを取得し、物理療法を駆使した施術法を確立。臨床歴20年以上のオーストラリア政府公認カイロプラクター。

 

監修者:鷲見弘

取得国家資格/鍼灸師、柔道整復師(接骨)、あん摩マッサージ指圧師
慶応大学卒業後、人体や自然界への探求心によりカイロプラクティックの道へ進む。ユニバーサル・カイロプラクティック・カレッジ、 中央医療学園鍼灸学科を首席として卒業後、JSK鍼灸カイロプラクティックを運営。音楽家の腱鞘炎等の演奏障害を得意分野とし、多くの著名ピアニストの治療を担当。

プロフィール詳細

WHO 国際基準のカイロプラクティック
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