柏に在住の30代女性がバレエのつま先立ち、ルルベをした際に生じた左ふくらはぎの痛みを訴え、来院されました。病院へも行きましたが肉離れと言われ、安静を余儀なくされているます。来月にバレエの発表会があり、どうにか間に合わせたいとの事です。自身でもどうにかしようとストレッチなどもしますが、その後は良くなる感じもしますが翌朝には逆に痛くなってしまうそうです。
【治療】
左腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)の腫れは強く、アキレス腱と腓腹筋の境目の筋膜の癒着、足関節後方の長軸制限(足首関節が狭くなった状態)が見られた。足底腱膜にも拘縮が生じ、足底筋群には疲労から来る緊張が確認される。
治療ではアキレス腱移行部、足底腱膜へのグラストンテクニック、足関節機能異常へのモビリゼーション(関節音を伴わない矯正)を中心に進める。2週間経過する頃に痛みは8割改善。トゥーシューズの履きだしで少し痛みはあったが、発表会では問題なく演技を終えられた。
【解説】
今回のように例え肉離れでも、筋肉や関節の歪みを改善させることは、良き回復のためには重要です。ただ安静に過ごしたり、ストレッチをすることで回復する程の障害であれば問題はありませんが、肉離れは癖になることも多く、適切な処置は早期回復だけでなく慢性化の予防にもつながります。様々なインターネットの情報により、各症状の回復にストレッチが有効と記載され、取り組まれる方も多いですが実際は非常にハードルが高く、余計に悪化するケースが多いため注意を要します。