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施術例

骨盤から臀部の筋肉痛

2025.06.06 カテゴリー:腰痛 

松戸市在住の40代男性が、左右の骨盤から臀部にかけて続く筋肉痛を主訴に来院されました。痛みは半年前から常に感じられる状態ですが、それ以前からも良くなったり悪くなったりを何年も繰り返していたとのことです。数年前、趣味のスキー中に大きく転倒したことをきっかけに腰を痛め、その後は腰の違和感や張り感が残るようになりました。
当時、整形外科を受診した際には「骨に異常はない」と診断されましたが、痛みの原因がはっきりしないまま日常生活を続けることに。不安を感じつつも、指示されたリハビリや自身で調べたストレッチを実践した時期もありましたが、症状に劇的な改善は見られませんでした。ここ半年は特に朝の起床時や長時間の座位後に痛みが増し、日常動作にも影響を感じるようになっています。患者様は「スキーで転倒したときに骨盤が歪んでしまい、それが長年の痛みの原因になっているのではないか」と心配されていました。

 

【診察・評価】

視診では骨盤の高さや左右差はわずかにあるものの、顕著な骨盤変形や傾きは認められませんでした。触診では、左右骨盤外側に位置する中殿筋・小殿筋、大腿筋膜張筋に強い筋膜癒着と圧痛を確認。特に腸骨稜に沿った部位では、腰を前に倒す動作で張りとつっぱり感が強く出ていました。

さらに胸腰部(胸椎から腰椎にかけて)のスプリングテストでは、弾力性が低下しており、腰部屈曲時の可動域制限も明らかでした。これらの所見から、胸腰部の機能低下が腰部筋群の癒着を招き、それが骨盤周囲の筋肉痛や可動性低下の主因となっていると判断されます。骨盤の「歪み」そのものはごく軽度でしたが、長年の筋緊張の積み重ねにより、骨盤外側の筋群がまるで張り付くように硬化していたことが症状を長引かせていたと考えられます。

【治療内容】

初期治療では、腸骨上端の筋群に対してグラストンテクニックを実施。これは特殊なステンレス製の器具を用い、筋膜や深層筋にできた癒着を効率的に剥がす方法です。特に中殿筋や大腿筋膜張筋は深部に位置し、手指の圧だけでは十分にアプローチしづらいため、この手技の効果が期待されます。

併せて、胸腰部の機能異常に対して脊柱矯正(カイロプラクティック・アジャストメント)を行い、脊柱全体の可動性とバランスを回復。これにより、腰部から骨盤周囲への負担が軽減され、癒着の再発防止にもつながります。

3回の治療後には、起床時の強い張り感がほぼ消失し、痛みは約6割改善。動作開始時のぎこちなさも軽減され、仕事や日常生活への影響が大幅に減少しました。現在は2週に1回のペースでメンテナンスを継続中で、経過は良好。

【解説】

今回の症例は、過去の外傷や繰り返す腰痛によって筋肉が慢性的に緊張し、結果として骨盤外側の筋群が癒着した典型例です。患者様が懸念されていた「骨盤の歪み」は大きな要因ではなく、むしろ筋膜と深層筋の固着による動きの制限が主な痛みの原因でした。

中殿筋や小殿筋、大腿筋膜張筋は歩行や立位保持に重要な役割を果たすため、これらが癒着・短縮すると骨盤から腰部への動作連鎖が乱れます。その結果、腰痛だけでなく臀部や太もも外側の張り感も引き起こされます。特に体格のしっかりした方では、癒着が強固になりやすく、自己流のストレッチや一般マッサージでは深部まで十分にアプローチできません。

グラストンテクニックのように、器具を使って筋膜に直接刺激を与える方法は、こうした深部の癒着に非常に有効です。さらに脊柱矯正を組み合わせることで、筋肉のアンバランスを生む根本原因である関節機能の低下も改善でき、相乗的な効果が生まれます。この症例は、骨や関節の形態異常がなくても、筋膜の癒着と機能低下が慢性疼痛の大きな要因になることを示す事へつながりました。

 

担当カイロプラクター:鷲見光一

カイロプラクター 鷲見 光一応用理学士(医科学)
カイロプラクティック理学士
グラストンテクニック®GTクリニシャン
日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員

都内カイロプラクティック院にて副院長を務めた後、2017年に独立。国際基準のカイロプラクティックだけでなくグラストンテクニックのライセンスを取得し、物理療法を駆使した施術法を確立。臨床歴20年以上のオーストラリア政府公認カイロプラクター。

 

監修者:鷲見弘

取得国家資格/鍼灸師、柔道整復師(接骨)、あん摩マッサージ指圧師
慶応大学卒業後、人体や自然界への探求心によりカイロプラクティックの道へ進む。ユニバーサル・カイロプラクティック・カレッジ、 中央医療学園鍼灸学科を首席として卒業後、JSK鍼灸カイロプラクティックを運営。音楽家の腱鞘炎等の演奏障害を得意分野とし、多くの著名ピアニストの治療を担当。

プロフィール詳細

WHO 国際基準のカイロプラクティック
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